雑記
2026/05/10(Sun)自然に溶け込む切妻屋根の宿泊空間
設計実績
こちらの物件は、長野県阿智村園原に建つ一棟貸しのグランピング施設です。 雄大な自然に囲まれた立地を活かし、周囲の風景に静かに溶け込む建築を目指しました。

有建築設計舎が大切にしたのは、建物を主張しすぎないことです。 豊かな自然環境の中では、建築だけが強く目立つのではなく、景色の一部として存在することが大切だと考えています。
シンプルな切妻屋根と、素材の組み合わせ
建物の形状は、シンプルな切妻屋根としました。 無駄を削ぎ落とした形にすることで、山並みや樹木との調和を図っています。
外壁には黒を基調とした素材を採用しました。 周囲の緑を引き立てながら、建物全体の輪郭を美しく見せています。 一方で、軒裏や開口まわりには木の質感を取り入れています。 自然素材のやわらかさが加わることで、落ち着きのある表情をつくり出しました。
建築は、素材の組み合わせによって印象が大きく変わります。 黒だけでは重くなりすぎる空間も、木を加えることで温かみが生まれます。 有建築設計舎は、素材を単体で考えるのではなく、周囲の景色や光との関係を含めて検討しています。
大開口が引き込む、景色と視線の設計

正面に設けた大きな開口も、この建築の特徴です。 室内から外の景色を楽しむために、視線の抜けを意識しながら開口の大きさを調整しました。
窓は単に明るさを確保するためだけのものではありません。 どの方向に視線が伸びるのか、どの高さで空や山並みが切り取られるのか。 そのバランスによって、空間の心地よさは大きく変わります。
特にこの施設では、阿智村の豊かな自然を存分に感じられるよう、開口と内部空間の関係を丁寧に整えています。 室内から外へと視線が広がることで、実際の広さ以上の開放感が生まれます。 さらに、デッキとのつながりを持たせることで、屋内外を一体的に使える構成としました。
外部空間も含めて、一つの居場所として計画する
自然の中で過ごす時間は、建物の内部だけで完結しません。 風を感じること、光の変化を楽しむこと、空を眺めること。 そうした体験が、空間の豊かさにつながります。
そのため有建築設計舎は、建築と外部空間を切り離して考えません。 デッキや庭、アプローチも含めて、一つの居場所として計画しています。
また、この建築では高さを抑えたスケール感も意識しました。 天井を必要以上に高くするのではなく、落ち着いて過ごせるバランスを重視しています。 高さを抑えることで自然との距離感が近くなり、室内に安心感が生まれます。 大きな開口がありながらも落ち着いて過ごせる理由は、このスケール調整にあります。
構造には、岐阜県の支援による木造新技術を採用しています。 木造でありながら開放的な空間を実現し、自然環境に寄り添う建築を目指しました。
多治見・名古屋・岐阜の家づくりにも通じる考え方

この考え方は、多治見・名古屋・岐阜での住宅設計にも共通しています。 家づくりにおいて、建物だけを考えてしまうと、周囲の環境との関係が希薄になります。 しかし、本当に心地よい住まいは、光や風、景色とのつながりによって生まれます。
有建築設計舎は、敷地の特徴を読み取りながら、どこに窓を設けるのか、どこへ視線を抜くのか、どの高さで空間をまとめるのか、こうした要素を丁寧に整理しながら設計しています。 これはパッシブデザインにも通じる考え方です。 自然環境を上手に取り込み、快適に過ごせる空間をつくる設計手法です。
自然と調和しながら、落ち着いて過ごせる木の空間。 有建築設計舎は、多治見・名古屋・岐阜で、その土地らしさを活かした木造住宅を得意としています。
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