雑記
2026/08/11(Tue)庭とつながる、造園会社の打ち合わせ室
設計実績
こちらのお家は、造園会社の事務所を兼ねた木造住宅です。

住宅と事務所をひとつの建物にまとめながら、上下階で完全に分離しています。仕事のための場所と住まいを明確に分けることで、兼用住宅でありながら、それぞれの用途を独立した空間として使える計画です。
今回紹介するのは、事務所側に設けた打ち合わせ室です。
造園会社の仕事では、庭や植栽、外構についてお客様と話す機会があります。そのため、打ち合わせをする場所そのものにも、庭との関係性を持たせることが大切だと考えました。
この打ち合わせ室の中心には、大きな木製のテーブルを配置しています。

複数人で資料を広げたり、図面を確認したりしながら話をするための、ゆとりを持ったスペースです。テーブルを囲むことで自然と視線が集まり、打ち合わせに集中できる構成としています。
そして、この空間の大きな特徴が、外部への開き方です。
打ち合わせ室の大きな開口部の先にはウッドデッキが続いています。室内から視線を外へ伸ばすことで、空間に奥行きが生まれます。
さらに、その先には緑の風景が広がっています。
造園を扱う事務所だからこそ、打ち合わせの場でも庭や緑とのつながりを感じられることを大切にしました。
庭について言葉だけで説明するのではなく、実際の外部環境を感じながら話をする。

建物と庭を別々に考えるのではなく、ひとつの環境として捉えることで、打ち合わせの時間そのものにも豊かさが生まれます。
内装にも木をふんだんに取り入れています。
床、天井、柱、建具などに木の素材感を取り入れ、空間全体を落ち着いた雰囲気にまとめています。
特に天井には木の板を連続して張ることで、視線が奥へ伸びる方向性をつくっています。木の質感と大きな開口部が組み合わさることで、室内にいながら外部とのつながりを強く感じる空間です。
また、打ち合わせ室の一角には、窓辺に沿ってカウンターも設けています。
ひとつの部屋の中に、大きなテーブルを囲む場所と、窓辺で作業できる場所をつくることで、用途に応じて使い分けられるようにしています。
兼用住宅では、住宅と仕事場を単純に同じ建物へ入れるだけでは、暮らしと仕事の境界が曖昧になりやすくなります。
そこで有建築設計舎は、まず用途ごとの動線と空間を整理することを大切にしています。
このお家では住宅と事務所を上下階で完全に分離しています。
そのため、同じ建物の中に住宅と事務所がありながら、それぞれの場所では異なる時間を過ごせます。
住まい手にとっては暮らしを守ることができ、事務所側では仕事に必要な環境を整えることができます。
今回の打ち合わせ室も、その考え方の中で計画した場所です。
仕事のための空間でありながら、一般的な事務所のように閉じた環境にはせず、外部の緑を取り込んでいます。
大きな開口部、ウッドデッキ、木の天井、木製家具。
それぞれの要素を個別に考えるのではなく、ひとつの空間としてつなげています。
こうした考え方は、パッシブデザインにも通じます。
建物の性能だけに目を向けるのではなく、開口部や軒、周囲の環境を含めて、自然との関係を考えながら設計することが重要です。
多治見・愛知・岐阜で木造住宅や兼用住宅を計画する場合も、敷地の条件や周囲の環境によって、心地よい空間のつくり方は変わります。
住宅と事務所を一緒に計画するからこそ、どこまでを仕事の場所とし、どこからを暮らしの場所とするのか。
そして、その境界をどのように設計するのか。
有建築設計舎は、用途を分けるだけではなく、それぞれの場所でどのような時間を過ごすのかまで考えながら計画します。
この打ち合わせ室は、造園会社の仕事と建築、そして庭との関係をひとつの空間にまとめた場所です。
お客様との対話が生まれる場所だからこそ、機能だけではなく、そこで過ごす時間の心地よさも大切にしています。
建物と庭、仕事と暮らし。
それぞれを切り離すのではなく、必要なところではつながり、必要なところではきちんと分ける。
有建築設計舎は、そのバランスを大切にしながら、住まい手の暮らしと仕事を支える建築を考えています。
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