雑記 ー 施工実績
2025/11/09(Sun)光を包み込む勾配天井のある木の家
施工実績
多治見の穏やかな気候と自然光を味方につけた、木造住宅の心地よい空間。

この家に一歩足を踏み入れると、まず感じるのは“光のやわらかさ”です。
南面から差し込む陽光が、勾配天井の板張りをやさしく照らし、床へと流れ落ちる。
その光の動きが、時間の経過を静かに教えてくれるようです。
ダイニングの中心には、存在感のある大きなテーブル。
木の質感を活かした天板に、すっきりとした脚部が組み合わされ、
シンプルでありながら凛とした印象を与えます。
背もたれの高い椅子が並び、家族や来客との食事の時間を豊かに演出します。
勾配天井の形状がこの空間の特徴でもあります。

単なる高さの演出ではなく、室内に風と光を導く“デザインの仕組み”として機能しています。
外からの直射光を適度に遮りつつ、反射光を室内へと取り込む角度。
自然の力を活かしながら、快適な室内環境を整える設計者の知恵が息づいています。
また、床・天井・家具が一体となるように計画された木のトーンも見どころです。
床はやや赤みを帯びたオーク系の色味。
天井には淡い板張りを用い、全体のバランスを取っています。
この微妙な色の差が、空間に立体感と奥行きを与え、
ただの「木の家」ではなく、洗練された“木質の建築”へと昇華させています。
壁面の収納やキッチン背面のデザインにも無駄がなく、
グレーのトーンが木の温かみを引き立てています。
均等に配置された照明が、天井の勾配に沿って柔らかく光を落とし、
昼間とはまた違った、穏やかな夜の雰囲気をつくります。
光と影がゆるやかに移ろう様子は、まるで暮らしのリズムそのものを表しているかのようです。
この家の設計では、内と外をつなぐ“抜け”のつくり方も巧みです。
ダイニング奥に設けられた大きな窓は、低い位置と高い位置の2段構成。
外の緑を目線の高さに取り込みながら、上部からは空の明るさを採り入れます。
視線の抜けと光の抜けを同時に実現することで、
実際の面積以上の広がりを感じさせるのです。
木造住宅の魅力は、こうした「素材と構造の素直さ」にあります。
派手な装飾はなくても、木と光と空間の関係が美しく整えば、
それだけで心地よい“住まいの風景”が生まれます。
多治見という地域性を考えても、夏の強い日差しや冬の寒暖差を上手に調整するこの構成は理にかなっています。
深い軒や断熱性能に頼るだけでなく、
建物のかたち自体が快適性を支える——そんな設計思想が見て取れます。
見た目の贅沢さだけでなく、光と熱、そして風をどう暮らしに取り入れるか。
住まいの中で自然と共に過ごす時間を心から楽しめる、
そんな木造住宅の理想を体現した一邸と言えるでしょう。
多治見の地に建つこの家は、展示用として設けられた住まいです。

そのため、素材や仕上げにおいては通常よりも上質な仕様が随所に見られますが、
大切なのは“豊かさの本質”を示していること。
それは高価な素材ではなく、光や風、木の香りといった
「自然と共にあること」の心地よさに他なりません。
住まいづくりを検討する方にとって、
この家は“設計の考え方”を感じ取るための良い手がかりになるはずです。
多治見の風土と暮らしに寄り添いながら、
木造住宅の持つやさしさと品格を最大限に引き出す。
その静かな佇まいが、これからの家づくりの方向を穏やかに示してくれます。
2025/11/04(Tue)光と風を感じる中庭のある木の家|自然と暮らす住まい
施工実績
光が柔らかく差し込み、木の香りが広がる空間。

中庭を囲むように配置された建物は、外と内が穏やかにつながり、心地よい風が通り抜けます。
この住まいは住宅展示場として建てられた一棟。
だからこそ、素材の選定やディテールに至るまで、木造住宅の魅力を最大限に感じられる上質な仕上げが施されています。
しかし、ただ豪華なだけではありません。
その本質は、木と光と風の関係を丁寧に整えた「心地よさ」にあります。
私たち有建築設計舎が多治見・名古屋・岐阜で提案する家づくりの理念を、体感できる展示空間です。
■光を受け止める木の空間
木造住宅の魅力は、時間とともに味わいを深める素材の力。
無垢の床や天井は光をやわらかく受け止め、陰影が空間に深みを与えます。
この展示場では、軒の出を深く設け、直射日光を抑えつつも明るさを取り込む設計。
朝や夕方には光が角度を変え、木肌に美しいグラデーションを描きます。
中庭を中心に計画されたプランは、どこにいても自然を感じられる構成。
窓を開ければ風が通り抜け、木の香りとともに清々しい空気が家全体を包みます。
■展示場だからこそ体感できる上質さ
住宅展示場という特別な場では、素材や仕上げを惜しみなく使い、住まいの可能性を表現します。
天井の高さや開口部の大きさ、照明の位置など、一つひとつに建築的な工夫が込められています。
とはいえ、これらは非現実的な贅沢ではありません。
むしろ、日常の暮らしをより快適にする「工夫のヒント」が詰まっています。
たとえば、光の取り入れ方や風の抜け道、木の使い方など、実際の家づくりにも活かせる要素が多くあります。
展示場を訪れた方が「気持ちいい」と感じるのは、素材の高級さよりも、空間の整い方に理由があります。
木造住宅の本質は、構造と環境、そして人の感覚が調和していることにあります。

■自然と調和する中庭の設計
中庭の存在は、この家の象徴です。
壁に囲まれながらも閉塞感はなく、外からの視線を遮りつつ、空へと視界が抜けていく。
この「抜け」の設計が、展示場全体に広がりと解放感をもたらしています。
光は時間によって角度を変え、木々の影を壁に映し出します。
季節ごとの変化が感じられるよう、植栽の配置や樹種も丁寧に選ばれています。
それはまるで、自然そのものが建築の一部として存在しているかのよう。
■パッシブデザインで支える快適性
この住まいでは、弊社が得意とする「パッシブデザイン」を採用。
太陽の光や風の流れを科学的に活かす設計手法です。
南面から光を取り込み、深い軒で夏の強い日差しを遮る。
また、風の通り道を計算し、室内の温度差をやわらげています。
こうした仕組みは、見た目の美しさ以上に、日々の快適さを支えています。
木造住宅は、木そのものの断熱性や調湿性を生かすことで、自然と調和する暮らしを実現できる構造。
展示場という場を通して、その心地よさを実際に「感じる」ことができます。
■住まいづくりのヒントとして
展示場の家は、住まいの理想形を描くための「学びの場」です。
実際の生活空間を想像しながら、素材の手触り、光の入り方、音の響きなどを体験することで、
自分たちにとっての“心地よさ”がどんなものかを見つけるきっかけになります。
木造住宅は、デザインだけでなく「時間の経過を美しくする素材」。
木が呼吸し、色合いが深まり、家族の記憶とともに育っていく。
展示場のように整った空間を見ながら、長く愛される家の在り方を感じていただけたらと思います。
住宅展示場は、ただのモデルハウスではなく、「これからの暮らし方」を体感できる場所です。
木の香りと光に包まれたこの空間には、自然とともに生きる家づくりのヒントが詰まっています。
豪華さの中にある“素朴な心地よさ”を感じながら、木造住宅の可能性をぜひ体感してみてください。
2025/10/27(Mon)光がやさしく包む、木のぬくもりあふれるリビング
施工実績
窓から差し込むやわらかな光が、木の床をやさしく照らします。

時間とともに変化する光のグラデーションが、暮らしに小さな発見と心地よさをもたらす、そんな印象を感じられます。
この家の魅力は、シンプルな中に宿る「素材の質感」と「光の設計」。
過剰な装飾を避け、日常の美しさをすくい取るような設計意図が感じられます。
ダイニング上には、3つのペンダントライト。
そのガラスシェードは昼間の自然光を受けて静かに輝き、夜になると家族の食卓をあたたかく包み込みます。
木目の天井は光をやわらかく反射し、白い壁とともに空間を広く穏やかに見せています。
大きな窓から入る光は、カーテンやブラインドを通してやさしく拡散。
直射日光ではなく「木漏れ日」のような光を取り入れる工夫が、木造住宅特有の温もりを一層引き立てています。
多治見のような日差しの強い地域でも、心地よい明るさを保ちながら快適に過ごせる工夫が随所に見られます。
天井の一部に木をあしらうことで、空間にリズムが生まれています。

単調になりがちなリビング・ダイニングを、視線の流れと素材の切り替えで自然にゾーニング。
木の天井と床の色味を合わせることで、統一感がありながらも奥行きのある印象に。
天井高を少し抑えることで、包まれるような安心感が生まれています。
この「高さの設計」こそ、木造住宅ならではのやさしさを感じるポイントです。
木造住宅の良さは、見た目の温かさだけではありません。
湿度を調整し、空気の流れを穏やかにしてくれる木の性質が、日々の暮らしを支えます。
夏はさらりと、冬はほんのり温かい。
そんな「感覚的な心地よさ」を実感できるのが、木の家の最大の魅力です。
また、多治見のように夏の暑さが厳しい地域でも、通風と断熱の計画を丁寧に行うことで快適な室内環境を実現。
外の環境に左右されにくい「呼吸する木の家」は、自然と調和しながら長く住み続けられる住まいです。
どこを見ても整然としていて、それでいて冷たさを感じない。
家具の配置や照明のバランス、カーテンの色調までが計算されており、住む人の「心の余白」を感じさせます。
日常の小さな動作——食卓を囲む、ソファでくつろぐ、カーテンを開ける——その一つひとつが絵になる空間です。
有建築設計舎が提案する木造住宅は、見た目の美しさだけではなく、「住む人がどう感じ、どう過ごすか」までデザインされています。
この家もまた、そんな「心地よさを設計する家」の一つです。
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