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雑記 ー 設計実績

2026/02/16(Mon)豪雪地帯に建つ、深い軒のある平屋の木造住宅
設計実績

こちらの物件は、豪雪地帯に計画した平屋の木造住宅です。

一面に広がる山並みを背景に、低く構えた屋根が水平に伸びています。

この落ち着いた佇まいは、積雪に備えた屋根勾配と軒の出によって生まれたものです。

豪雪地帯で家を建てるとき、まず考えるべきは「雪とどう向き合うか」です。

雪をどう受け止め、どこへ流すのか。建物や敷地に負担をかけない計画が、安心して長く暮らせる家の基礎になります。

この住まいの深い軒は、雪対策だけが目的ではありません。

夏には強い日差しを遮り、室内への直射を抑えます。

一方、冬は太陽高度が低くなるため、開口部から光を室内の奥まで取り込んでくれます。

こうした自然エネルギーを上手に活かすことが、パッシブデザインの基本なんです。
南面の大きな開口部からは、山の景色が室内に広がります。

夕暮れ時、室内の灯りが外へやわらかくにじむ姿は、周囲の自然と調和しながら、住まいの温もりを伝えてくれます。

外観を考えるとき、昼だけでなく夜の表情も大切にしています。住まい手が帰宅する時間、家族が団らんする時間。

その背景となる光の在り方まで想像しながら設計します。

軒下には、屋外と室内をつなぐ半屋外空間を設けました。

雪の日でも外気に触れられ、天候が穏やかな日には椅子を出してゆったり過ごせます。

豪雪地帯では外との関係が閉じがちになりますが、こうした中間領域があることで、季節の移ろいを身近に感じられる住まいになります。

内部は、木の素材感を活かした落ち着きのある空間です。

天井や建具の木部があたたかな光を受け止め、外の冷え込みとは対照的なやわらかさを生み出しています。

構造的な合理性と、感覚的な心地よさ。この両立を常に意識した空間づくりを心がけています。

豪雪地帯では、上下移動の負担や屋根の安全性など、将来を見据えた配慮が欠かせません。

ワンフロアで生活が完結する平屋は、暮らしの動線が明快で、家族の気配も自然に伝わります。

長く安心して暮らせることを第一に考えた、シンプルで機能的な間取りです。

多治見・愛知・岐阜エリアでの家づくりでも、気候への応答は重要です。豪雪地帯だけでなく、夏の暑さや湿度への対策も必要になります。

断熱性能を確保しつつ、開口部の配置や庇の寸法を丁寧に検討することで、冷暖房に過度に頼らない住まいを実現できます。

これもパッシブデザインの考え方です。

外観の美しさ、軒のライン、柱のリズム。

これらすべてが、構造や環境応答と結びついています。

豪雪地帯の平屋という条件の中で、合理性と情緒を両立させることが、設計の醍醐味だと感じています。

住まい手にとって、家は日常の舞台です。

雪に包まれる朝も、澄んだ空気の夕暮れも、この平屋は静かに受け止めます。

その土地の気候や風景を読み取り、住まい手の暮らしに寄り添う形へ整えていく。

それが設計の役割だと考えています。

耐震性、断熱性、そして自然との関係性。

ひとつひとつ丁寧に検討し、安心と心地よさを両立する住まいを設計します。

設計相談から具体的なプランニングまで、住まい手の思いを伺いながら進めていきます。厳しい自然環境の中でも、やわらかな灯りがともる家。

その実現に向けて、真摯に向き合っていきたいと思っています。

2026/02/08(Sun)築130年の古民家リノベーション|伝統美と現代の快適性を両立した住まい
設計実績

こちらの物件は、築130年の歴史を持つ古民家を、現代のライフスタイルに合わせて大規模にリノベーションした住まいです。

多治見や岐阜エリアには歴史ある木造住宅が数多く残っていますが、住み継ぐためには適切な改修が必要になります。

この住まいの最大の特徴は、130年の時を刻んできた太い梁をそのまま露出させた天井構成です。

私は設計の際、この梁を構造的に検証し、必要な補強を施しながら元の美しさを損なわないよう計画しました。

白い天井と濃い色の梁のコントラストが、空間に奥行きと立体感をもたらしています。

現代の住宅では見ることのできない迫力ある構造材が、歴史の重みと風格を伝えています。

伝統的な畳の和室をそのまま残しながら、隣接する空間を無垢フローリングの開放的なリビング・ダイニングとして再構成しました。

襖で仕切ることで、普段は広々とした一体空間として、必要に応じて独立した部屋として使用できます。

床材には調湿性能を持つ無垢材を採用し、素足で歩く心地よさを大切にしました。木の持つ自然な調湿機能は、室内環境を快適に保つパッシブデザインの基本要素です。

新たに設置した薪ストーブは、冬の暖房として実用的な役割を果たします。

私が薪ストーブを提案する理由は、炎のゆらぎを眺める時間が自然との関わりを日常に取り戻すきっかけになると考えているからです。

ストーブの配置は、庭を眺めながら暖を取れる位置としました。

大開口の窓から四季折々の景色を楽しみながら、炎の温もりに包まれる時間が生まれます。

ダイニングには、古材を活用して製作した一枚板のテーブルを配置しました。

解体材や古い建築部材を再利用したもので、サステナブルな家づくりの一環として取り入れています。

長年の使用で刻まれた木目や傷が唯一無二の表情を作り出し、新材にはない深みのある色合いと質感が空間全体に落ち着きをもたらしています。

窓は庭に面して大きく開口を取り、自然光を室内の奥まで取り込む設計としました。

多治見や岐阜の気候を考慮し、夏の強い日差しを適切にコントロールしながら、冬には太陽の熱を取り込めるよう窓の配置と庇の出を計画しています。


開口部を通じて風の通り道を確保し、自然換気による涼しさを得られる工夫も施しました。

エアコンに頼りすぎない、環境に優しい暮らし方を実現しています。

古民家のリノベーションは、先人が残してくれた建築の知恵と美しさを現代に活かす取り組みです。

有建築設計舎では、構造の安全性を十分に確保しながら、住まい手のライフスタイルに合わせた空間を丁寧に設計します。

耐震性能の向上、断熱性能の改善、設備の刷新といった実用面と、意匠としての美しさの両立を目指しています。

古民家を受け継ぐこと、住み継ぐことに興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

2026/02/02(Mon)仕事と住まいを分けながらつなぐ木の打ち合わせ空間
設計実績

こちらの物件は、造園会社であるティーズガーデンスクエア株式会社様の兼用住宅として計画した建物の中に設けた打ち合わせスペースです。


有建築設計舎は、住宅としての機能と会社としての機能を上下階で完全に分離しながら、建築全体としてのつながりを大切にして設計しました。

空間全体は木造住宅ならではの素材感を軸に構成しています。

天井や柱、造作家具に至るまで木を基調とし、どこにいても落ち着きを感じられるよう配慮しました。

特に天井は緩やかな勾配を持たせることで、視線が自然と外へ向かい、室内に広がりをもたらしています

打ち合わせスペースに求められるのは、適度な緊張感と安心感のバランスです。

有建築設計舎は、話をするための場所だからこそ、空間が人の気持ちを和らげる存在であってほしいと考えています。

木の質感や天井高さ、光の入り方が、自然と会話を穏やかなものへ導いていきます。

大きく設けた開口部は、外部の風景を室内へ取り込み、時間帯によって異なる表情をつくり出します。

朝のやわらかな光、日中の安定した明るさ、夕方に近づくにつれて生まれる陰影の変化。

こうした自然の移ろいが、打ち合わせの時間に心地よいリズムを与えてくれます。

打ち合わせ用の大きなテーブルは、複数人が囲んでも余白を感じられる寸法としました。

図面や資料を広げながら話を進める場面でも、手元だけでなく空間全体にゆとりが生まれるよう意識しています。

椅子やカウンターとの距離感にも配慮し、動線が自然に流れる配置としています。

この建物は、あくまで住まいでもあります。

住宅スペースと会社機能を上下階で分けることで、暮らしと仕事の切り替えが明確になる構成です。

音や視線が交錯しにくく、それぞれの時間を大切にできる関係性を整えています。

兼用住宅は、どちらか一方を優先すると、もう一方が使いづらくなりがちです。

有建築設計舎は、仕事も暮らしも同じように大切にしたいと考えています。

そのため、それぞれにふさわしい居場所を丁寧に設けることを設計の軸としました。

設計相談の時間は、単に要望を整理する場ではありません。

住まい手やお施主様が、自分たちの暮らしや働き方を少しずつ言葉にしていく時間だと考えています。

だからこそ、空間の居心地や空気感をとても大切にしています。

この打ち合わせスペースに身を置くことで、その心地よさを自然に感じてもらえることを目指しました。

有建築設計舎は、これからも設計相談の時間そのものを大切にしながら、住まいと仕事の在り方を丁寧に形にしていきます。

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